なぜ暫定措置が「システム的な無理」なのか?
技術的な視点で解説します
「診療報酬明細書」のことです。患者さんが窓口で払うのは医療費の一部(3割など)だけ。残りの7割を病院が保険者(健保組合など)へ請求するための「請求書データ」です。
現在はほぼオンライン化されており、送られてきたデータをコンピュータが自動でチェックしています。
2025年12月以降、従来の保険証は期限切れになりますが、2026年3月末までは「使ってOK」というルールになりました。ここで「人間とシステムの認識のズレ」が発生します。
「政府がOKと言ったから、
この保険証を通してあげよう」
「データ上、有効期限が切れています。
資格なし=全額自己負担です」
そのままでは、病院が請求したお金が「資格なし」として突き返されてしまいます。
この矛盾を解消するため、審査システム側に「今回だけの例外ルール(パッチ処理)」を組み込む必要があります。
通常のエラー判定条件に、無理やり例外を加えます。
期限切れの番号で送られてきても、バックエンドのデータベースでは以下のような複雑な処理を行います。
「3ヶ月延長します」という一言は、現場(受付)にとってはシンプルですが、システム側には莫大なコストがかかっています。
「期限切れの保険証でも、今まで通りでいいですよー」
(運用はシンプル)
ここが大混乱&高負荷
これは、「原則(廃止)」と「現実(混乱回避)」の板挟みによる政治的な解決策です。
結論:
「現場で患者さんを門前払いして大パニックになるよりは、システム側でお金をかけて複雑なつじつま合わせをした方がマシ」という判断が行われた、ということです。